部屋に行くといないので、ナースステーションへ行く。
かーちゃんは案の定車椅子に座っていた。
リハビリだ。
部屋にいるよー、と声をかける。
かーちゃんは私の声にすぐ反応する。
わかるのだろう。
わかってくれて嬉しい。
酷い意識障害がなくて嬉しい。
かーちゃんが車椅子のリハビリを終えて、部屋に戻ってきた。
昨日の私のおかずの事や、入れ歯持っていったから、
夜から入れ歯をはめて、昨日の晩ご飯と今日の朝昼は部屋で、
テーブルできざみ食とろみ食を食べたなどと話してたら、
部屋に戻してくれた看護師さんが再びやってきた。
「歩く練習をしますよー。」
かーちゃんは車がついた歩行器で、廊下を1周グルッと周った。
今日は昼間もこの車がついた歩行器で、グルッと1周したそうだ。
夜担当の看護師さんがご挨拶に来て、
先生と話せたか聞いてきたので、
「昨日はゴックンテストにはついて行ったのですが、先生とは話せませんでした。できたらお話を伺いたいのですが。」
と言ったら、今の時間担当の看護師さんを呼んでくれて、
その看護師さんが先生に連絡を取ってくれた。
先生が来てくれると言う。
忙しい先生なのに。
ERの先生なのに。
先生は来てくれた。
「喉の先生は別なので、ですが経過も良く、リハビリは他の病院でもご自宅でも良いかもしれませんね。」
「あとどのくらい入院になりますか? 2週間くらいですか?」
「回復にもよりますがそこまで行かないでしょう。」
「ありがとうございます!!!!」
命のやり取りを毎日しているであろうERの先生。
辛い場面にも何度も遭遇しているであろう。
その先生から、明るい見通しが聞けた。
「あんたあの先生に、命を助けてもらったんだよ。」
「もう死んでもいいって思ったんだけど、公証役場の人呼んでないって思って、(あたしに)悪かったって思った。」
何だ、遺言書いてないって思ったのか。
「じゃあ退院したら遺言書くんだね。あたしが最初に蘇生して、次に江戸川区の救急隊の人がお肉取ってくれて、あの先生が最後にあんたのことを生き還らせてくれたんだよ。」
そんな話を初めてした。
そうなのだ。
皆で蘇生をしたおかげで、かーちゃんは生きている。
明るい見通しなのでつい、こんな話もした。
「退院したら桃ととうもろこし、食べられそうだね。相撲は無理かもしれないけど、オリンピックは観れそうだね。」
「夏にやるやつだね。」
昨日は都知事選挙の話も気にしていた。
投票に行きたいらしい。
明日もまた来るからね、と言ったら、
来なかったら寂しいから明日も来て、と言った。
かーちゃんは今まで、こんなこと言ったことがない。
よっぽど今回の入院が辛く、厳しく、寂しく、堪えているのだろう。
自分の錦糸町通いももうじき終わる話になりそうなので、
今日はテルミナニュークイック金の肉市なのでお肉を買った。
豚だけどハラミと、豚だけどネック。
ネックは脂がのっておいちーのだ。
普段は買わない100g198円だけど、今日は買った。
それから桃のお勤め品が2個198円だった。
3パック買った。
うさのすけ喜びそう。
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