昨日かーちゃん連れて公証役場に行ってきた。
出かけ前、お洋服の事を聞く。
「半袖にする? それとも長袖?」
「長袖。」
おー長袖と言ってきた。
それはつまり、ピンクの梅柄の、秋のパンツルックだ。
かーちゃんが明るく見えて、似合ってる。
着替えさせておむつも替える。
「靴は黒? それともピンク?」
「ピンク。」
買った当初はピンと来てなかったピンクのあゆみの靴。
入院していろんな看護婦さんたちから物凄く褒められて、
今ではもうお気に入りみたいだ。
介護タクシーにお迎えに来てもらって出発。
小岩にタクシーで行くのは初めてだったので、
何だかドライブ気分。
役場について、部屋に通されて、判子つく練習。
持っていった判子は、まぎれもなく実印。
役場の方が車椅子対応してくれたので本当に良かった。
立会人のと公証人の元、かーちゃんの遺言読み上げになった。
わたしはその時、席を外すよう言われて、
待ち合いで待っていた。
かーちゃんの声が聞こえる。
「大した財産はありません。」
あーーー何とんちんかんなこと言ってるんだ。
「ないわけじゃないからこれを作ってるんでしょう。」と公証人様。
かーちゃん、見慣れない人を目の前にして、緊張している模様。
そりゃそうだ。
自分の遺言書、ご希望通りに作ってるんだもんな。
判子ついた模様。
何か談笑している。
「うさぎさんがいます。」
何話してんだー?
呼ばれたので部屋に戻る。
立会人様に封筒を渡す。
正本と謄本をもらって、これにて終了。
もらってる途中、字が汚かった、と申すので、
公証人様が慌てて書いた字のところを広げて見せてくれて、
「きれいな字ですよ。読めますよ。」と言ってくれた。
役場を出る時、公証人様と事務のお姉さんが、
エレベーターの前まで送ってくれた。
帰りの介護タクシーの中、
「うさぎさんがいますって、何話してたの?」
「女性の方の人が、ペットも入れるお墓があるんですね、って言ったから、うちにうさぎさんがいます、って言ったんだよ。それよりも心残りがある。」
「ええっ? 何っ?」
「ちゃんと字が書けなかった。」
「あんた、読める字を書いてたよ。見せてくれたじゃん。」
「あれはおべっか言ってるからだよ。もう1回書き直したい。」
それはもう遅い。
帰りの道中は、
かーちゃんが知らない道を通ると緊張するので、
千葉街道を通っていたこともあり、
宍戸先生が綺麗になったのを見せたり、
京葉交差点の宝くじ売り場を話したりしながら帰ってきた。
橋を渡ったあたりでどこを移動してるのか認識しだしたので、
もう一安心。
最初の謄本取りから遺言作成まで、うちは2カ月かかった。
ひょっとして、早い方かな。
今年の大仕事だったね、かーちゃん。
無事終了。
今年はいろんな事があった。
年末にうちの重大ニューストップ10でもやろうかな。
10もないか。
5で十分。
もう10月だ。

