老健から退所してきて2カ月半というところ。
「馬券の買い方がわからない。馬券の買い方を忘れてしまった。情けない。」とかーちゃんは言って涙を流しながら、退所してきてから毎週末競馬をやっていた。
「忘れたことはまた覚えればいいんだよ。やってるうちに思い出すよ。」そう慰めていた。
毎週物凄い金額になる馬単をつけてくる。
2回当たったが、他は全部外れた。
それはもうここには書けないくらい2か月で負けていた。
毎回あまりにひどいので、今日、
「あんた(裏表合計)3千円になる馬単ボックス(6頭)何本も買うんだったら、6千円になる3連単ボックス(5頭)買いなさい。」
そう言って新聞を渡した。
新年明けて今日、うちの競馬始まりだ。
「3連単を買いなさい。」そう言った。
お昼ご飯を挟んで、かーちゃんは3連単を考えた。
中山メインの馬券を先に書いてきた。
6千円が3つで1万8千円。
今日はかーちゃん居間で車椅子に座って、
一緒に競馬を観ている。
ハズレた。
こっちの胃がジレジレした。
京都メイン当たりますようにっ! 当たりますようにっ!
レースを観た。
「2番来い! 来い! かーちゃん着たよーーーーっ! 当たったよーーーーー!」
万歳! かーちゃんのボックス買いが当たった!
「3連単初めて当たった。当たったわよーーー!!」
今週誕生日だったので、かーちゃんは86になった。
86歳競馬人生40何年、人生初3連単を当てる。
「当たったね! 良かったね! おめでとう!」
「ありがとう! 初めて当たった! ありがとう!」
馬券取ったお祝いでお寿司を食べに行きたい、とかーちゃんは申したのだが、
「今日は(日曜で)混んでるし、明日も(祝日で)混んでるから駄目だな。」お断りした。
寿司は誤嚥性肺炎のもとになるから駄目だ。
米が硬い。
せっかく誤嚥性肺炎の時、墨東から生き返ってきたのに、
大きなネタがのってる寿司は食べさせられない。
今までは万券当たったら、
銚子丸にお祝いでお寿司を食べに行っていた。
誤嚥性肺炎で入院してからこっち、
寿司は食べに連れて行けない。
私だって銚子丸で寿司食べたい。
しかしそれはもうできない。
「今度の買い出しでお刺身買ってくるよ。」
かーちゃんには申し訳ないが、
1口小さくした刺身で我慢してもらうしかない。
カツオかマグロ買ってこよう。
次は火曜に買い出し予定だ。
かーちゃん、良かったねおめでとう。
この調子で自分の介護費用捻出してくださいよ、と言って、2人で笑った。
まぁ、今日たまたま当たっただけで、どうせ負けて、
かーちゃんの負け分でお馬ちゃんの飼葉代JRAに払っているのはわかっているので、
介護代捻出なんて絶対できない(笑)。
だけど今年の初競馬、かーちゃんは3連単を取った。
86歳との楽しい思い出。
2018年01月07日
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