ゼイゼイ言ってるのだ。
どうみても呼吸器がおかしい。
これはひょっとして誤嚥性肺炎ではないか?
月曜になごやかさんでお風呂入ってもらって、
その間私は易占学院に行って授業を受けてきているわけだが、
そんな自分の用事をやってる場合ではない。
寝る前までデイサービスに行ってもらおうと思っていたが、
急きょ病院に行くことにした。
子供が熱出してハーハー言ってるのを置いて、
仕事に行けますか? 自分の用事ができますか?
様子を見ている間に病状が酷くなったらどうしますか?
対象は子供ではなくかーちゃんなのだが、そう考えた。
どこの病院に行く?
最初金曜の西さんで、
血液検査のついでに診てもらおうと思っていたのだが、
そこまで待ってられないし、西先生は胃腸科の方が得意だ。
却下。
ケアマネが言っていた、なかたに行くか?
誤嚥性肺炎だった場合、入院しないといけなくなるだろう。
なかたクリニックは循環器と訪問医療看護が得意だ。
却下した。
残ったのは東京城東病院。
ここまで考えて寝た。
今日朝、わたわたしていたので、
なごやかさんに電話するのをすっかり忘れていた。
ぴんぽーーーん。
ああ、お迎えが来ちゃった。
S藤所長だ。
「すいません。電話できなくてすいません。今日これから病院に行くので、今日お休みさせてください。」
「ええっ、お大事になさってください。」
そうだ、ケアマネにも電話しなきゃ。
電話したらいなかったので、
なごやかさんお休みにした伝言をする。
城東に10時半頃着く。
月曜で患者多くて待つ。
待ってたら、虹に来ていたY瀬さんに声をかけられた。
「私糖尿になっちゃって、ここで診てもらってるの。介護やったり働きに出たりして虹に行けなくなっちゃったんだけどさ。」
最初誰だかわからなかった。
顔つきが全然変わっていた。
話し口調も顔つきも生き生きとしていた。
お母さん認知症で徘徊が出ちゃって施設に入れて、
お父さんも要介護2だけど身の回りのことができなくなって、
いろいろと面倒を見ているんだって。
「あの当時のメンバー虹に来てる?」と聞かれたので、
「皆介護しながら来てるよ。介護してるからどこにも行けないよ。虹しか行くところがない。」と返事した。
「皆40代後半から50代前半だもんね。同じ世代だもんね。介護してるんだよね。」
本当に今日は待った。
名前呼ばれたの12時前だった。
若い茶髪のお兄ちゃん先生だった。
かーちゃんの容態を話す。
木曜金曜あたりから、変な咳をしている事。
土曜日曜と、ベッドに横にすると、
ゼイゼイ息をして苦しそうな事。
土曜寝れないくらい咳とゼイゼイがあった事。
寝れなかったので昼夜逆転になったこと。
熱がないので肺炎ではなさそうとの見立て。
数値もほとんど正常で気に掛けるところがない事。
そんな事を話しながら、先生が、
酸素の値を測る計器をかーちゃんの指に当てる。
「あれあれ? 数値が低い。さっきは正常だったのに。」
もう1度測る。
「やっぱり低い。」
レントゲンと血液検査をすることになった。
待った待たされた。
いつもの整形外科は、
レントゲン終わったらすぐ名前呼ばれて終了なのに。
ああ、血液検査の結果出るのが長いんだ。
かーちゃんと腹が減った話しをする。
ミニストップで肉まん食べ放題にするか、弁当にするかと話した。
3時頃名前を呼ばれた。
「ここの数値(専門用語を言われた)と、ここの数値が高いです。体の中で炎症が起こってる可能性があります。それとレントゲンに影が出ています。初期の肺炎か、初期の心不全の疑いがあります。」とお兄ちゃん先生。
何故かそこにもう1人内科の先生。
「心臓が悪いと診断されたことはないですか?」
「15年くらい前か20年前くらいに、救心飲んでると聞いたことがあります。診断はされたことがないと思います。」
お兄ちゃん先生「入院を考えて、もう少々検査させてください。ゼイゼイ言うのには心不全の疑いがあります。CTと、他の数値が見たいので血液検査やりましょう。」
「先生、お昼食べたいんですけど。」
「ここ(城東病院喫茶室)でですか?」
「いえ、家に帰って。」
「入院するとなると、それだと後手後手に回りますから、ここはちょっと踏ん張って検査しましょう。」
お兄ちゃん先生、さらりとした人当たりのくせに鬼だ。
昼飯を抜け、と言っている。
かーちゃんの手前、家に帰って飯食いたいと言えなくなった。
検査で頑張らないといけないのはかーちゃんだ。
「じゃあかーちゃん、もうちょっと検査あるんだって。もうちょっとで済むみたいだからやってもらおう。」
CTと血液検査をやる。
その間に、老健の方に行って、
受付事務のお姉さんと、老健ケアマネI井さんのところに行く。
昼飯抜いている我慢している。
愚痴らずにはいられない。
「受診されてるって噂が聞こえてきましたよ。」とI井さんに言われたので、
「10時半から来てます。お昼も食べてない。初期の肺炎か、初期の心不全だそうで、ひょっとしたら入院。」
I井さんの顔を見ながら、「誰かに喋りたかったんです。」と言ったら、わかってくれた。
時計を見たら午後3時半近くだった。
CTと血液検査が終わって、
内科の前で待ってくれ、と言われて待っていたら、
かーちゃんには点滴が施された。
入院を考えて、ではなくて、もう入院する前提なのがわかった。
お兄ちゃん先生がかーちゃんの顔を見に来てくれた。
「痛かったり苦しかったりしないですか?」
「うちに帰ってご飯が食べたい。」とかーちゃん。
笑う先生。
診察室に通らされた。
「CTで、血管が硬くなっている箇所が見られます。それと左足がむくんでいるので、太ももの辺りから血液を採って検査します。初期の心不全の疑いが強いので、緊急入院しましょう。」
入院を考えて、って言われた時点で、まー入院だなって思ったよ。
誤嚥性肺炎じゃなくて、心不全の疑いだって。
病棟に連れて行かれて、
必要な物を取りそろえるのに1回うちに戻った。
家に帰ったのが午後5時20分。
5時半までなら通じるだろうケアマネに急いで電話。
「どうしました? 朝の電話っきりで心配してましたよー。」
「今5時20分に帰ってきたばっかりです。かーちゃんが心不全の疑いで緊急入院しました。」
城東に緊急入院した一件を話して、
デイのお休みなどの手配をお願いした。
昼食べてないのを話したら、心配してくれた。
「あーもうね。今日よくやったからご褒美にビール飲みます(笑)。じゃあこれから備品届けに病院に行ってきます。」
1年ぶりの城東入院は、レンタル用品の種類が変わっていた。
うちは毎回パジャマおむつはレンタルで、そのほかの備品は取り揃えてあるので、
今回も「パジャマおむつレンタルで。」とお願いしたら、
備品は持ってこなくてもよくなったコースになった。
レンタルサービスでついているそうだ。
持って来いと言われたのはバスタオル、タオル、全身ローションのみ。
備品届けてたら、かーちゃんの晩ご飯タイムとかち合った。
白身魚のあんかけに緑のポテトサラダみたいなもの。
みかん、海苔の佃煮、ご飯。
食べこぼしが激しいので、
看護婦さんが慌ててビニールエプロンをつけていた。
かーちゃんが食べてるのを見て、
「あんた、あたしもう帰っていい? あんたは今食べてるけど、あたし何にも食べてない。」
そう申したらお許しが出た。
「しっかり食べてゼイゼイ言ってるのを直すんだよ。明日また来るからね。」
帰りのエレベーターでリハビリのS藤先生と会う。
2015年に大腿骨折って入院した時のリハビリ先生だ。
「おや、今回は一体どうして?」
圧迫骨折で入院した去年もこの台詞を言われた。
「初期の肺炎か、初期の心不全の疑いだそうです。」
「(入院は)何階ですか? ああ、あとで調べて顔出しますよ(笑)。」
顔出してくれるって、何てありがたいんだろう。
病院向かいのミニストップで目についたお総菜買い占めて、
いつもならビール350ミリリットルなんだけど、
今日は500にした。
うちに帰ってきて6時半過ぎていた。
こんな日は飲まねばやってられない。
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