Hさんに電話をした。
それで、かーちゃんがスプーンを持ったまま、
5分10分同じ姿勢でいて、
ご飯を食べるのに2時間くらいかかる話をした。
「それはパーキンソンが悪くなったんじゃないよ。脳神経。認知症が進んだんだよ。」
「ええっ? それは治らないの?」
「それは治らない。」
ショックを受けた。
「明日シニアメンタルに行くから、先生に話してみる。」
ショックのあまり、
Hさんにそう言うのがせいぜいだった。
今日台風の後の風が物凄くて、
車椅子を押して安全に病院まで行ける気がしなかったので、
かーちゃんを置いて、1人でシニアメンタルに行った。
置いて行って良かった。
亀戸のバス停で、風がごおぉっと音を立てながらの突風にあった。
錦糸町のみずほの前で、
風が木の葉を渦巻きながらビュービュー吹いていた。
先生に、先月の末くらいから、
かーちゃんが食事をしながらスプーンを持ったまま、
何分も同じ姿勢でいるのを話す。
スプーンを口元に持っていけない話をする。
仕方ないので、今、食事介助して、
私がスプーンを口に運んで食べさせている話をする。
ケアマネに、認知症が進んだ、と言われた話をする。
「認知症が進んだかもしれませんね。」と先生。
「口元に持っていって、ゴックンはできるんです。今日も出てくる時、気をつけて行ってらっしゃい、って言えるんです。普段の受け答えもできるんです。それでも認知症が進んだんですか?」
「そのうちね、ゴックンするのも忘れてしまうんですよ。」
「先生! 治らないんですか?」
「パーキンソンとレビー小体ですから、どっちの作用でそうなっているかは、わからないです。それより今は、できなくなったことより、できることを見ていきましょう。」
「先生! お薬の変更とかはありますか?」
「経過を診ていきましょう。」
「先生! 頼りにしてます!」
「わかってますよー。」先生は笑顔で言った。
昨日ケアマネに言われてショックだった。
アルツの認知症進行なら、少々聞きかじっているので、
わかっていたつもりなのだが、
レビーの認知症が進むのを、私が全然理解していなくて、
認知症が進んでいると言われてショックだった。
だってかーちゃんはまだ、
見えない小さい子供が見えて、
その子とお話しするレビー小体の症状が出ていない。
それがレビー小体の認知症だと思っていた。
だけど、今日先生にも言われて、何だか腹が座った。
私が食事介助すれば、おむつを換えれば、
車椅子に乗せてあげれば、
かーちゃんはまだうちで暮らしていける。
9月10月になれば、
私の仕事などでもいろいろ周り出して目途が立ってくる。
楽しくなってくるのはこれからだ。
来年オリンピックもある。
かーちゃんは見る気でいる。
そういうわけで、来月は気象に邪魔されることなく、
かーちゃんをシニアメンタルに連れて行こうと思った。
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