うちに帰る交差点を曲がったら、
見知った顔が歩いている。
「おおっ！ こんちは。久しぶりー！」
E畠兄貴と会った。
虹卒業解散してから、多分1年何か月かぶり。
すぐ私だとわかった模様。
兄貴開口一番。
「親父がね、要介護5になった。もう寝たきり。おむつも換えてる。1年くらい前。」
「ええっ？ そりゃ大変だ。うちも要介護4だよー。」
「今度飲みに行こう。皆で食事がいいかな。」
そう言い残して、足早に帰っていくので別れた。
もうちょっと話したかったんだけど、
私も買い物帰りなので仕方ない。
兄貴のお父さん、膀胱がんをやっていて、
アルツがいきなり起こって酷くなって、
それで寝たきりか。
年取ったお母さんと兄貴で介護してるのか。
介護ベッド入れてるだろうし、
寝たきりだとテープ式おむつで高額だ。
就労センターの帰りに会ったわけだから、
センターに通っているという事は、
まだ就職できていないという事だ。
介護でお金がかかる。
早く就職したいだろうに。
だけど現状はコロナで求人が減っている。
食事しに行ったり、飲みに行ったりしたいだろう。
きっと心の底からそう思っているだろう。
だけど要介護5じゃ、
家を空けるわけにいかないだろう。
辛くて大変だな、と思った。
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