行ったら、何と! 待ち合いに誰もいなかった!
私1番目じゃん!
久しぶりに診察室へ入る。
「先生、昨日バレンタインの練習したんだけど、協力してくれない?」
いきなり切り出して、コンビニ袋から包みを出した。
「うわぁ、どうしたの、これ?」
「昨日作った。」
昨日新しいレシピのクッキーを作った。
練習である。
ゆいでバレンタインにクッキーばら撒いていい許可を、
昨日O西さんから返事もらった。
なので、練習で焼いたやつを、
食べてもらうのに協力してほしかった。
「先生、受付のスタッフさんにもあげて。」
「じゃあ早速渡しておこう。」
先生はドアを開けて、
私が手作りしたお菓子だよ、と言って、
受付のお姉さんにレジ袋を渡した。
ずいぶん小松と話してなかったので、
かいつまんで近況をいろいろと話す。
「お母さん、どうした?」
「生きてる。」
「生きてるぅ?」
コロナで面会謝絶なのを話す。
「洗濯物が出てくるから、生きてるとしかわからない。」
「お母さん、老健から出てきてまた一緒に住むの?」
「次は特養。」
老健追い出されることになったら、
次は特養なのを話す。
今月末から介護職員初任者研修の資格を取りに行くので、
その話しもしておいた。
「先生、私ね、お菓子作るのと占いの勉強してるのと、介護しかしてないんだよ。お菓子は教室開けるようにしたし、占いの勉強もまだ続けるけど目途が見えてきたし、今度は介護の資格を取りに行く。」
午前中だけ働きたいのを話した。
コロナが治まったら、
午後はかーちゃんの食事介助に行かないといけなくなるだろう。
しかも毎日。
食事介助に来てください、と、
老健から言われるだろう。
だから午後は空けておきたい。
午前中にだけ仕事をしたい。
仕事をするにあたって、介護しかしてなかったから、
介護に関係ある仕事をするのがいいであろう。
仕事をしていないブランクがあるが、
かーちゃんの介護を今もしている。
その介護しているブランクになる期間は、
介護職ではプラスにとってもらえる。
なので、資格を取りに行くことにした。
本当は、
かーちゃんが家にいるころから取りに行きたい資格だった。
行きたいと思うようになってから、かーちゃんが、
あれよあれよと要介護5、要介護4になって、
私が家で介護しないといけなくなって、
何年も外に出られなかった。
今この状況なら、お教室に通える。
それで決めた。
診察室を出たら、受付のお姉さん2人に、
「売ってるお菓子みたい! すっごく可愛い!」と褒めてもらった。
「もう中身見たの?」と聞いたら、お姉さんは、
レジ袋からパッケージしてあるクッキーの入った袋を、
「ほら、可愛い!」と言いながら、目の前に出してきた。
袋の裏は、可愛いマステで止めただけ。
女子に好評である。
良かった良かった。
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