西先生に渡す手土産だ。
何年も、かーちゃんがお世話になった。
ほぼ2カ月ぶりの西先生。
「お久しぶりです。」と受付のお姉さん2人にご挨拶。
5時半からの診察開始のようで、ちょっと待った。
診察室に呼ばれて、
今日は太っちょ看護婦さんだった。
血圧と心拍数を測られて、先生登場。
「先生、今日はお話があります。かーちゃん90歳3か月、天国に逝きました。こちらで何年もお世話になって、本当にありがとうございました。これ皆さんで食べてください。これ食べて、かーちゃんのことを思い出していただけたら嬉しいです。」と、手土産を渡す。
「いつ?」
「4月13日です。」
「90歳?」と言うので、
「コロナでもなくインフルでもなく発熱して、食べるのも飲むのもできなくなっちゃって、死因にレビー小体認知症って書いてあったけど、多分老衰です。」
「まだ若いのに。」
「朝5時に電話かかってきて、私ちょっと間に合わなかったんですけど、触ったらあったかかくて、いつもの息をしているみたいに穏やかな顔でした。苦しまなかったと思います。」
「ひょうひょうとした、楽しいお母さんだったのにね。」
「皆さん、かーちゃんの活きがいい頃(と言ったら皆笑った)を知ってますから、これ食べて、かーちゃんのことを思い出していただければ嬉しいです。他の皆さん(看護婦さん)にも、かーちゃんが天国に逝ったのをお知らせしてください。本当にお世話になりました。」
「皆には、ちゃんと伝える。」先生はそう言った。
ちょっと泣きそうになった。
かーちゃんの報告をしただけで本日終了かと思ったら、
ちゃんとカルシウムの処方箋出してくれた。
会計で呼ばれてお金を出していると、
会計事務のお姉さんが、「先生と話してるの聞こえちゃった。お母さま亡くなったのね。」と言ってきたので、
「何年も皆さんには、本当にお世話になりました。さっき先生に手土産渡したので、それ食べて、かーちゃんのことを思い出してくれたら嬉しいです。私はまだ来ますので、よろしくお願いします。」と返した。
また泣きそうになってきたけど、何とかセーフ。
何年も西先生に診てもらった。
かーちゃんが尿漏れするので、
平井の泌尿器科は西先生しかなかったので、
行け、って言って受診したのが始まりだった。
そうしたら尿漏れは糖尿病の症状で、
糖尿病予備軍と言われて、そっからの付き合いだった。
行き始めて何年かは、
かーちゃん1人で受診していたけど、
何年かしたら、私が付き添うようになった。
パーキンソン病がわかったのも、
西先生が船堀でMRI撮った方がいい、って言ったからだ。
西先生で診察を待ってる時に、
椅子から滑り落ちて大腿骨を折った。
病院から病院へ救急車で運ばれた。
西先生の口利きで、城東に入れて、
手術できることになった。
本当にかーちゃんのかかりつけのお医者さんだった。
先生とも、どの看護婦さんとも思い出がいくつもある。
かーちゃんにも私にも明るくしてもらって、
楽しい西外科胃腸科クリニックだった。
帰ってきてポストを見たら、墓場から着た。
かーちゃんの墓に彫ってもらう原稿が着た。
待ってた。
明日本局に行って、返信用封筒を出そうと思ってる。
この間印鑑登録した、
かーちゃんが使ってた実印用ハンコ。
役所の人が押した後に、
「このハンコ、ひびが入っていますよ。折を見て、変えた方がいいですよ。」と教わった。
実は私の銀行印も、
欠けているのを去年指摘されていた。
どうしたものかと思っていたけど、
ついに今日午前中、実印用と銀行用のハンコを買った。
これを機に、銀行印と実印を変更する決意をした。
黒水牛のハンコにした。
楽天の期間限定ポイントが6000くらいあって、
ハンコ買うのに使えばよかったのに使わなくて、
失敗したな、と思っていた。
30日までの限定ポイントなので、
使うなら早いうちに使おうと思って、
さっきカナナプロジェクトの13リットルリュックを買った。
黒を買ったから、四十九日に背負っていっても大丈夫。


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