かーちゃんの遺品である。
よく見ると刃欠けしていた。
遺品だし、まだ使いたい。
刃欠けしているこれではいかん、と思い、研ぎに出した。
すると研ぎに出したご店主奥さまが「さやがあるはずです。」と言った。
このナイフはむき身のまま、
無造作にいつも引出しに入っていた。
そういうもんだと思っていた。
「ミソノさんの果物ナイフですよ。うちも使っている。」と奥さまは言った。
有名なメーカーのフルーツナイフなんだ。
教えてもらった。驚いた。
グーグルで『ミソノ 包丁』と検索したら、
ホームページがあった。
ミソノ刃物株式会社
拝見したら果物ナイフにさやがある。
さやがあるなら欲しい。
会社の住所が載っていたので、ダメ元で、
かーちゃんの遺品であることと、現在さやがないので、
さやだけほしい旨を書いて、
うちにあるナイフの写真を入れて手紙を書いてみた。
ナイフにマークが彫ってある。
その写真を入れた。
仕事しているので電話での対応はできないが、
メールなら随時対応できます、と書いた。
すると、社長様直々に、メールで返答をいただいた。
驚いた。
それで、ミソノさんの、果物ナイフNo.1、というナイフだというのが判明した。
直ぐにさや送ってくださって、
昨日金曜の午前中に、振込用紙と共に我が家に来た。
さやに入ったところ。
かーちゃんもあたしも無造作に使っていたが、
本来あるべき姿のナイフに戻ってくれたみたいで、
何だかとっても嬉しくなった。
ナイフの型番判明に繋がったミソノさんのマーク。
私のような1個人の者に対して、
親切で丁寧に対応してくれた。
これからもこのナイフを使うたびに、
その爽やかな対応を思い出すだろう。
何だかとっても嬉しくなった。
かーちゃんの形見の品、大事に使う。

