ラッキーチャンス!
サークルのドアを閉めた。
今日は雨降る前に午後宍戸先生に連れて行こうと思っていた。
午前中に仕事に行かないといけない。
かわいそうだが午後の行く時間までサークルにいてください。
これでキャリーに入れるのに、追いかけっこしなくて済む。
りんごとバナナの入ったお皿をサークルに入れたら、
うさこはかじりついてきた。
午後4時過ぎのバスに乗って宍戸先生へ。
着いて、キャリーの蓋を開けてうさこをなでた。
いつも触ってないところをなでた。
そうしたら、右の腕の付け根にポッチンがある!
押しても痛がらない。
なあにこれ?
もしかして腫瘍かもしれない! やばい!
順番が来た。
お父さん先生に呼ばれた。
息子さん先生は他のワンちゃんを診ていた。
「先生! うさこの右腕のところに白いポッチンがある!」
いきなり直訴した。
「右腕? どこ?」
「右腕の付け根の辺り!」
「ホントだ。ポッチンがある。」先生凝視した。
「あーこれはね。The イボ、だな。まず先に体重計って爪切ろう。」
体重2.06キロ、前回と大して変わりなし。
爪を切ってくれる。
うさこの体を押さえてくれるのは、
毎回こんなにちっちゃかったのに、って言ってくれる、
犬のトリミングやってくれる看護師さん。
先生に、爪があんまり伸びていない、って言われた。
そう言われたのは今回で2回目だ。
爪をかじっているんではなくて、
自然と削れてるんじゃないか? との見立て。
「体型が男の子っぽいよ。毎日運動してるんじゃない?」
ペレットをあまりあげ過ぎないようにしている。
(既定の量は与えている。体重の1.5%。大体30グラム。)
好きなだけ食べさせたら、物凄く太っちゃう。
「うさこちゃんは機嫌が良いと毎日走り回ってます。」
イボの話をしてくれた。
「ワンちゃんにはよくできるんだけどね。うさぎにできるって言うのは初めてかも。」
放っておくと、イボがもっと大きくなって、
腐ってくるそうだ。
嫌な話だ。
腐ってるところを想像しちゃう。
大きくしないようにどうするかというと、
糸で縛って栄養がいかないようにしてみると、
縛ったところからポロっとイボが腐って取れるそうだ。
嫌な話だ。
想像しちゃう。
「どうする? 今取る?」先生に詰め寄られた。
うさぎ的には痛くもかゆくもないそうだ。
人間も、何もしなくていいそうだ。
「じゃあ今日取るようにしてください。」
どのみち腐って取れるんだったら、早い方が良い。
先生すぐさまピンセットで器用にイボを糸で結んだ。
「1ヶ月くらいしたら様子を見せに来て。」
わかりました。
いつも爪切り550円なんだけど、
イボ撤去で2200円だった。
2200円でうさこの平和が保たれるなら、
お安い御用だと思った。

